パーペチュアルカレンダーは、天文学的な問題に対応するための機械的な解決策です。歯車、ゼンマイ、ロッカーが太陽の周囲を公転する地球を模しています。このカレンダーのメカニズムでは、閏年を算出するだけでなく、その月の日数が28日、30日、31日のいずれになるかを自動的に割り出します。パーペチュアルカレンダーで修正が必要になるのは、新しい世紀が400で割り切れない場合の年の変わり目だけです。

コンプリートカレンダーは、曜日、月、日付を計測します。フィフティーシックス・コンプリートカレンダーなど、一部のモデルではムーンフェイズも表示されます。こうした時計は、2月、4月、6月、9月、11月の年5回、手動で調整する必要があります。

アニュアルカレンダーを搭載した時計は、31日と30日の月を自動的に計算するフルカレンダーとパーシャルカレンダーを備えています。こうした時計は、閏年を除く2月28日を考慮して、年に一度だけ調整する必要があります。

ムーンフェイズは新月、上弦、満月、下弦といった月相を文字盤上に表示する機構です。時間に換算すると29日と12時間45分という月の満ち欠けのサイクルを、このためだけにピニオンの横に取りつけられた歯車で再現しています。その誤差は月が1周するごとにわずか57秒、1日あたりに換算すると2秒未満に抑えることができます。ヴァシュロン・コンスタンタンのムーンフェイズを搭載した時計は、高精度ムーンフェイズでは122年に1度だけ、一般的なムーンフェイズは3年ごとに調整が必要です。